2023/10/31
上野天神祭は、伊賀上野の秋を彩る伊賀最大の祭りで、400年余りの歴史があります。
国の重要無形民俗文化財に指定され、平成28年にはユネスコ無形文化遺産に登録されました。三重県内には、上野天神祭のほかに「鳥出神社の捕鯨行事」(四日市市)と「桑名石取祭の祭車行事」(桑名市)がユネスコ無形文化遺産に登録されています。
この日は、本祭りとされる神幸祭が行われていて、神輿巡幸、鬼行列、だんじり巡幸を観ることができました。中でも、昔から子供たちが怖くて仕方ないという鬼行列は、伊賀上野城の藩主であった藤堂高虎が寄進したと言われている能面を被り、鬼に扮した人たちが道いっぱいにひょろつきながらやってくることから、『ひょろつき鬼』と言われていて、沿道の子供たちは鬼たちが近づいてくると盛大に泣いていました。鬼たちの後には、弓矢を手にした源為朝の仮装をした行列が続きます。これは1156年の保元の乱の後、伊豆半島に流刑された為朝が近くの鬼ヶ島に棲む鬼の頭領を成敗し、凱旋したという故事にちなんだものと伝えられています。
行列の最後には、9台の楼車(だんじり)が町内を練り歩きます。絢爛豪華なだんじりは、どれも歴史を感じさせる古いもので、天幕や胴幕に花や動物など細かい刺繍が施されている立派なものでした。
今年はコロナ禍で中止されていた屋台が4年ぶりに軒を連ね、沿道はたくさんの人でにぎわっていました。お天気にも恵まれ、上野町内をゆっくり歩きながら歴史を間近で感じることができ、良い休日を過ごせました。