2021/12/07
しいたけは日本の食卓に身近な存在です。生でも干したものでも煮ても焼いてもおいしいヘルシーな食材です。しいたけが日本でいつから食べられているかは諸説あるようですが、鎌倉時代の頃にはすでに食用されていたと見られています。江戸時代には現在の原木栽培の基盤となる栽培方法が開発されて出回るようになったようです。原木栽培とはシイ、クヌギなどの丸太に種菌を植える栽培方法です。しいたけの名はシイの木に育つことが由来しているなどとも言われています。
おがくずに米ぬかなどを混ぜて固めたものに種菌を繁殖させて作る菌床栽培が定着して年間を通じて安定して大量生産ができるようになりました。天候に左右されないので、現在の店頭に並ぶしいたけは菌床栽培のほうが多く原木栽培は希少になっています。気になる人はパッケージに菌床か原木かの栽培方法が記載されていますのでチェックしてみてください。
しいたけを代表する栄養素といえばカルシウムの吸収を高める「ビタミンD」。しかし、日の当たらない室内で栽培されたしいたけのビタミンDは出荷時はほぼゼロにちかいそうです。
しいたけの成分「エルゴステロール」は紫外線を浴びることでビタミンDへと変化します。そのため調理前に30分〜1時間干せばビタミンDはなんと10倍!になるそうです。食物繊維やビタミンB1も10倍にアップするので、美容効果もバツグンです!
市販の干ししいたけの中には熱風などで乾燥させたものもあるためビタミンDを確実にモノにしたいなら、生しいたけも干ししいたけも「天日干し」がお得です。レンジ干しは意味がないそうです。
しいたけを乾燥させることで旨みや香り成分が増します。
生しいたけや干ししいたけには血中のコレステロールを調整するエリタデニン、免疫細胞の活性化に一役買うβ-グルカンなども含まれています。
摂取したい栄養素がいっぱい詰まっています。
美味しいしいたけを食べましょう。
※生しいたけを干す時や保存する時にはカサを下に置くのが基本です。カサを上にしておくと胞子が落ちてそこからしなびたり黒ずんだりしてしまいます。
※自家製干ししいたけの作り方のポイント
ざるや干し野菜用ネットなどを使い、丸ごとしいたけを干す場合にはカサを下に、軸を上にします。しっかり干したい場合はスライスしてまんべんなく日光が当たるように並べましょう。すぐに使う場合は、干す時間は30分ほどでOKですが、保存性を高めたいなら1〜2日干して、しっかり水分を抜くのがおすすめです。
※おいしい干ししいたけの戻し方
軽く水洗いしカサの裏が水に浸るように浸します。ラップを水面に密着させて冷蔵庫へ。一晩待つと旨み成分が増えてさらにおいしくなります。しいたけの軸をつまんでやわらかくなっていたら出来上がりです。